今日も寒い日でした。以前の報告ですが、国立循環器病センターの研究報告によると、冬の心筋梗塞発症は夏の1.6倍多いとの発表があったそうです。冬は血圧も上がりやすく、動脈硬化の進んだ血管の破綻が多いのではとの循環器医の予想が裏付けられたデータです。私のような町医者をしておりましても、データと実感が一致します。今日も何人かの患者さんは、血圧が高かった。
ところで検診などで「血圧が高いですね。」と言われた経験のある方も多いのではないでしょうか?そんなとき「血圧を測定して血圧が高かったのだから自分は高血圧だ」と認識される方が多いようです。その裏側には「高血圧=血圧が上がる」との考えが広く浸透していると推測できます。
では、「高血圧を血圧が上がる病気」だと考えると、測るたびに変動する血圧をどう理解するのか混乱してしまいます。変動する血圧をどう考えるのか、受診された方によく質問されるのですが、次のようにお答えします。
「高血圧は血圧が上がる病気ではなく、血圧が下がらない病気だと理解してください。」
緊張した時や運動した時の一時的な血圧の上昇は、それほど大きな問題にならないと考えていいのです。血圧が上がって悪いのでしたら、スポーツ選手は全員が高血圧になってしまいます。極端な例えではありますが。
高血圧は、安静にしていても血圧が下がらず、血管が安静に出来ずに血管の老化(動脈硬化)が進む病気なのです。
家庭血圧の記録で、1回目の測定がほかとはかけ離れて高い方がいます。1回目の血圧をすて、2日目3回目の血圧を書いてくださいとお願いしているのは「高血圧は血圧が下がらない病気」との考えからなのです。