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塩分と心不全について

塩分と心不全について (2012年06月10日 日 00:17)|病気|

今日は塩分についてのお話です。

当院にも心不全の患者さんが通院されています。自分の目の前で、しんどそうにフーフーと呼吸されている姿を見ると、なんとかしてあげたい(上からの目線ではなく、人間としての本質的な思いです)。ちょっと薬を加えたりするわけですが、診療所での治療ですので、数時間の内に効果がでるというほどではありません。家に帰っても気になります。場合によっては、ご自宅に電話してしまいます。

 

心不全の患者さんでは、食事の際、塩分を制限するように指導しています。患者さんが診察室を出られる間際に、「とにかく薄味で!!」と一言付け加えるようにしています。なぜ塩分なのでしょうか?

それは、体内では、多くの場合、塩分と水分は同じ働きをするからなのです。

血液の中の塩分が多くなると、血液が濃くなります(浸透圧が高くなるといいます)。濃くなると細胞の中の水が、塩分に引っ張られて、細胞が壊れてしまいます。(ナメクジに塩をふったときを想像してみてください。)そこで、体内にはバソプレッシンという浸透圧を一定に保つホルモンがあります。血液中の浸透圧が高くなると、バソプレッシンが増えて、腎臓から水が出て行かないようにして浸透圧を下げます。その結果、循環する血液の量は増え、心臓に負担がかかるのです。塩っ辛いものを食べると、そのあと水がほしくなります。つまり、血管の中の塩を薄めるため、水分をたくさん接種しようとするのです。

心不全の患者さんによく処方されるお薬に、利尿薬というのがあります。フロセミド(商品名ラシックス)は腎臓に働いて、ナトリウムを外に出すような作用をもっています。すると、バソプレッシンも減り、腎臓からお水がでて、尿量が増えるわけです。

 

最後に、もう一度。塩分量を減らすには・・・まず薄味の食事を心掛けましょう。塩味は、下の味蕾で感じるので、食べ物の表面についていたほうが、味が濃く感じます。下ごしらえの段階で塩を使用しても味が薄くなってしまうので、食べる直前に塩を振るのをお勧めします。病院食もおいしくないと言われます。塩分が少ないからだと思いますが、あれを目安にしてもらうのも一法かと思います。



 
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