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春は痛風が増える?

春は痛風が増える? (2012年03月11日 日 08:30)|病気|

東日本大震災で被災された方々、お見舞い申し上げます。わたくしもこの国で生まれた一人の人間として、可能な限りの責任を果たしたいと思います。1年前のこの日より東北から遠く離れた近畿の地ではありますが、なにかモヤモヤとした、何とも表現しにくいものが胸の奥に居続けています。この感情はなんぞや・・。

さて、今日のお話。高尿酸血症の治療法には、主に生活習慣の改善と薬物療法があります。何回か痛風発作を起こしたことがある場合は、尿酸値の程度とは関係なく薬物療法が行われます。

痛風発作を起こしたことがない場合は、尿酸値のほか、尿路結石、腎臓病、高血圧、心臓病などの有無によって治療法が選択されます。実は、日本で推奨されている治療方針と海外とでは違いがあります。海外では痛風発作を起こしたことがない場合には、薬物治療は積極的にしないことが多いようです。一方、日本では症状にかかわらず、血中尿酸値を基準に治療が行われていることが多いです。いずれが正解なのか・・。各国の保険制度、国民性などなど、様々な要因が影響しますので、“あくまで医学的に”という判断も難しいものがあります。

尿酸値が7mg/dl前後であれば薬物療法はあまり行われず、まず生活習慣の改善を行うことが基本になります。尿酸値が8mg/dlを超えている場合も、あくまで基本は生活習慣の改善ですが、合併症があるときは、併せて薬物療法を行います。7mg/dlと8mg/dlの間にいる患者さんはと言えば、痛風の既往・ご本人の希望・生活スタイルなどで個別に判断しています。尿酸値が9mg/dlを超えている場合は、痛風発作が非常に起こりやすい状態にあるため、薬物療法と生活習慣の改善を同時に行います。

尿酸値を下げるには、生活習慣を改善することが大切です。食べすぎは肥満を招くほか、総合的にプリン体の摂取量を増やす可能性があるので、食べすぎないようにします。また、アルコールには尿酸値を上げる作用があるので、ビールに限らず節酒をすることが大切です。ほかにも、水分をとる量が少ないと、尿の量が減って尿酸の排せつが悪くなるため、水分を多めにとるよう心がけます。運動は、筋力トレーニングや短距離走など激しい運動は避け、ウオーキングや水泳などの有酸素運動を行いましょう。当院には1人スポーツ選手の方が通院していますが、確かに周囲には痛風発作が多いと仰っていました。

これから暖かくなって気持ちのいい季節です。年を重ねるごとに、春の待ち遠しさや嬉しさが増してきます。これから河原でバーベキューをしているグループをちらほら見る機会も増えます。楽しそう・・・、でも痛風起こさないでね・・、などと感じてしまいます。

みなさんもお気をつけて。ブログを読んでくださって、ありがとうございました。



 
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