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血圧と原発性アルドステロン症

血圧と原発性アルドステロン症 (2012年04月22日 日 07:30)|病気|

おはようございます。音川です。

朝早くからブログの更新です。「7時30分」、そんなもん大したことないと思われるかもしれませんが、まずブログの下書きから始まるので、以外と時間がかかってしまうのです。こどもが寝ている間でないと、邪魔されてできないのです。

さて、皆さん、血圧の管理は大丈夫でしょうか。

降圧薬の選択肢が増え、日常診療では積極的な高血圧管理が行われるようになってきました。しかし、一方で肥満や糖尿病、慢性腎臓病などの合併症を有する患者が増え、脳卒中や心筋梗塞などの発症リスクが高いにもかかわらず、降圧目標が達成できないケースも少なくありません。

日本高血圧学会が作成した「高血圧治療ガイドライン2009」では、生活習慣の修正を行った上で、利尿薬を含む適切な用量の3剤以上の降圧薬を継続投与しても、目標血圧まで下がらない場合を「治療抵抗性高血圧」と定義しています。また、この定義を満たさない場合でも、2~3剤の降圧薬を用いていて目標血圧を達成できない場合を「コントロール不良高血圧」としています。この定義に照らしてみると、治療抵抗性高血圧は4.8%で、コントロール不良の患者は2~3割はいると考えられています。「合併症が発症してしまうと、降圧治療はさらに困難になります。肥満や耐糖能異常の患者は、早期から厳格に降圧治療を行うべき」と考えられています。

コントロール不良の高血圧で、病気の頻度の面から常に念頭においているのは、「原発性アルドステロン症です。自治医大循環器内科教授の島田和幸先生は、「二次性高血圧(加齢など自然要因以外の高血圧)の鑑別では、原発性アルドステロン症(PA)の鑑別が重要だ」と強調されています。そんな偉い先生が言わずとも、町医者も考えていますが・・。

PAは、副腎からのアルドステロンの自律的過剰分泌が原因とされる二次性高血圧で、低レニン活性・高アルドステロン濃度を示すのです。簡単に言えば、自分の体内で作られるホルモンが原因で、血圧が上がりすぎてしまうのです。PAと診断されれば、副腎摘出術やアルドステロン拮抗薬などの治療で治癒も期待できる疾患です。

これまで低カリウム血症が診断のポイントとされてきましたが、最近、血清カリウムが正常でもPAが起こることが報告され、予想以上に発症頻度が高いことが明らかになっています。PAの頻度は高血圧患者の5~10%、治療抵抗性では約20%との報告もある。「治療抵抗性の場合は、積極的にアルドステロン濃度などを測定すべき」と考えます。

血圧の下がりが悪い場合、原発性アルドステロン症のことも主治医の先生と相談してはいかがでしょうか。私も普段から注意していますが、当院では幸いにも、皆さん血圧の良い方が多いのです。当院周囲の方は、健康に対する意識の高い方が多い。

しかし、血圧の高い方には、「ホルモン検査してみましょうか」とすすめています。「血圧の薬さえもらえればそれでいい、余計な検査はせんでええ」と言われ、なかなか難しさを感じることもありますが、患者さんが納得して治療が受けられるよう、これからも頑張っていきます。



 
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